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                       2005/04/01
         自主学習のコツ Vol.001
                        薮荷筒丸
      バックナンバー: http://www.flsi.co.jp/gakushu/
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 皆様、メールマガジン「自主学習のコツ」をご講読いただき、
ありがとうございます。
 このメールマガジンは、中学生・高校生からおとなまでが、必
要な知識や思考方法を効率よく習得し、人生に役立てられるよう
にするための自主的学習のコツを解説するものです。

 学習意欲を高める方法、頭をよくする方法、基本的な学習法、
効率のよい学習法、心の健康を維持する方法等をお話していき
ます。

* このメールマガジンの対象者は中学生以上としていますが、
実際には小学生以下のお子さんや子育てにお役立ていただける
ようなお話も出てきます。
 その場合には、ご両親がお読みになって、お子様の養育に
生かしていただけるようお願い致します。

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1.はじめに
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 このメールマガジンを読めば以下のことができるようになる
(かもしれません)。

・何のために勉強するのかわかるようになる。
・人生の意義・目的がわかるようになる。
・勉強する意欲がわいてくる。
・効率のよい勉強方法(コツ)がわかってくる。
・学校の成績が向上する。
・勉強が楽しくなってくる。
・自分に自信が持てるようになってくる。
・自分の感情のコントロール方法がわかってくる。
・人間関係が向上する。
・騙されにくくなる。
・友達同士でいっしょに勉強するようになる。
・友達同士で助け合うようになる。
・海外に友達ができる。
・国際親善に(ささやかながらも)貢献するようになる。
・無駄な出費をせず、節約するようになる。
・地球環境保護に(ささやかながらも)貢献するようになる。
・問題解決手法が身につく。
・世の中の重大な問題がわかってくる。
・世の中の重大な問題を解決しようとする意欲がわいてくる。
・将来、日本あるいは世界を支える貴重な人材になる(かも)。

 ただし、それは、皆さんがこのメールマガジンをちゃんと読むだ
けでなく、その内容をよく理解し、それを自分のものにし、それを
ちゃんと実践することが前提になります。

 また、このメールマガジンに書いたことは、必ず実現することを
保証するものではありません。無料のメールマガジンですから、苦
情など言わないで下さい。
 タイトルに「自主」という言葉がある通り、あくまで、ご自分が
主体です。ご自分でよく納得したうえで、ご利用下さい。

 それでは、さっそく自主学習のコツのお話に入っていきましょう。

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2.学習意欲を高めるために
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 学習のコツのお話として、「学習意欲」と「基本的な勉強の仕方」
のお話から始めていきたいと思います。

 まず学習意欲についてですが、最初に、特に小学生のお子さんを
お持ちの方にお話したいことを書いておきます。

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 人はもともと優れた学習能力と旺盛な知的好奇心を持っています。
つまり、人は誰でも元々学習意欲が旺盛だったはずなのですが、多く
の人達が外的要因によって、子供時代にこれらの意欲を奪われ、ある
いは能力が減退していくのです。このことは、「無気力の心理学」
(波多野誼余夫, 稲垣佳世子著、中央公論社(中公新書))という書
籍の中で実証されていますので、興味のある人には一読をお勧めしま
す。(同著者による「知的好奇心」という本も合わせてお勧めします。)

 子供たちを無気力にさせる要因にはさまざまなものがありますが、
子供たちに罰をあたえること(罰を与えるとは、本人に苦痛を与える
ことによって、その行為をやめさせようとすることです。その中には
叱ることも含みます)も、大きな要因の一つです。したがって、お子
さんをお持ちの方に特に注意して欲しいことは、子供たちをできるだ
け叱らないようにして欲しいということです。叱るのではなく、ほめ
て育てることです。叱ることによって、一見効果があったように見え
たとしても、本人の気力を減退したり、反感を持つようになったりと、
長期的には弊害の方が大きく出てきます。叱るのは、本人が悪気を持
ってその行為をした場合や危険な行為をした時など、最悪の場合だけ
に限るべきです。同様に何かを強制することも避けるべきことです。
「勉強しなさい。勉強しなさい。」としきりに勉強することを強制するのも
本人の意欲を減退させ、勉強をいやだと感じさせる原因の一つになり
ます。勉強は本来楽しい(わかると楽しい)ことなのですが、楽しさを
知ることなく苦痛だと思い込まされてしまう子供たちが多いことは大変
残念です。しかし、できるだけ子供たちのいいところを見つけて、たくさ
んほめてあげると、子供たちは本来の能力を少しずつ回復してきます。
子供たちが間違ったことをしても、やさしくさとすようにして、できるだ
け叱らないようにしましょう。そのためには、子供たちがどうしてそ
んなことをしたのか、子供たちの心理を理解する必要がありますし、
子供たちにも、どうしてそうすべきなのか、あるいは、どうしてそう
してはいけないのか、理由をきちんと理解してもらう必要があります。
また、私たち大人にはかなりの忍耐力が必要になります。簡単なこと
ではありませんが、私たち大人の忍耐力が試されているんだと考えて
おおらかに構え、子供たちをのびのびと育ててあげたいものです。

 私の子供時代を例にとってお話しましょう。私は小学校の2年生の
頃にはときどき宿題をやってこなかったことがあるようで、ときどき
叱られていたようです。小さいときのことなんかたいして覚えていま
せんが、ひとつだけ鮮明に覚えていることがあります。
 当時の学校では毎週土曜日は午前に授業があり、午後は休みでした。
ある土曜日のこと、私は午後いつものように家で宿題をやろうとして
いましたが、いつもながら遊びたくてしようがなくて、宿題にはあま
り集中できません。「どうせ日曜日にやればいいんだから、いいや。」
と、宿題の半分も終わらないうちに遊びに飛び出してしまいました。
日曜日になって、次の月曜日が近づくことを意識してくると、何とか頑
張って宿題を終わらせてしまうのがいつものパターンだったのです。
 ところが、翌日(日曜日)になると親戚が遊びに来ました。そして、
従兄弟と一日中遊んでいるうちに一日は終わってしまいました。次の月
曜日、学校で宿題を半分もやっていないことがバレると、案の定、先生
に叱られました。
 むろん自分が宿題を全部やってこなかったのが悪いということはわか
っているのですが、何となく理不尽に感じてくやしかったことをよく覚
えています。たんに叱られたというだけでなく、多くの同級生の前では
ずかしめられたという思いも、いやな感情として覚えています。いやな
思いをしたから、奮起して勉強したかというとそういうことはなく、当
時の私の成績は、ずっと悪いままでした。

 ところが、小学5年生になると状況がだいぶ変わってきます。5年生
の時の担任の先生は若い先生でしたが、とてもやさしい先生でした。あ
る日、先生に指名されて黒板で算数の問題を解いていると、その先生が
「薮荷君は算数の天才だね。」(注:薮荷は私のペンネームです)と言
って賞賛してくれました。ほかにも何か言ったと思いますが、鮮明に覚
えているのはこの言葉だけです。そしてその言葉は、一度や二度ではな
くその後何度か聞かされました。
 当時、私の算数の成績はよくありませんでしたし、算数は苦手で嫌い
だと思っていました。だから、初めはこの言葉を信じていませんでした。

 ところが、その後、私の成績は少しずつ向上してきました。そして、
中学生になると、大きな異変が生じました。数学と理科と英語のテスト
では、いつも百点(満点)か、あるいはときどきうっかりミスをして
一問程度間違えるだけになっていました。その学校では、期末試験の校
内全体の順位が張り出される習慣になっていましたが、私の順位は常に
トップ・クラスになっていました。近所の親からも、あの子は秀才だ、
と噂されるようになり、「うちの子の家庭教師をやって欲しい」と頼み
に来る親もいました。

 もちろん、その頃には、数学が大好きになっていました。特に好きだ
ったのは、幾何学(図形を扱う数学)です。先生が問題を出すと、ほと
んどいつも瞬時に答えを考え出すことができました。これには小さいと
きの遊びが物を言っていると思います。というのは、私の家庭は貧乏だ
ったので、ほとんど玩具を買うことはできず、自分で玩具を作るか絵を
描くくらいしかできなかったからです。それで、一人で遊ぶときには、
絵を描いたり工作をしたりすることが多かったのですが、そのおかげで
図形を頭の中に描いて自由にいじくるという能力が発達したようです。
先生が図形の問題を出すと、それを即座に頭の中に描いて、補助線をい
ろいろと引きなおして答えを考え出すということを、ほとんど頭の中だ
けで瞬時にやってのけることができたのです。もちろん、立体的な図形
も頭の中に自由に思い描くことができました。つまり、先生がほめてく
れたことと、小さいときの遊びで鍛えた能力が数学の成績の向上に大き
く貢献したようです。(遊びと学習の関係については、後に再度お話し
ます。)

 一方、理科の方はどうして成績がよくなったかというと、これには小
学生の時に読み始めた「科学」(学習研究社)という雑誌が強い影響を
与えているようです。当時は、学習研究社(通常、学研と略称する)の
「科学」と「学習」という雑誌が学校で販売されていたのですが、多く
の同級生が「科学」を好んで購読していました。というのは、この雑誌
には付録としてさまざまな玩具がついていたからです。玩具という言い
方をしましたが、正確には科学(理科)を教育するための教材という名
目でついているもので、その付録を組み立てたり遊んだりするうちに科
学の知識が身についてくるというものです。そして、雑誌には付録の解
説の他に、さまざまな科学の話題がわかりやすく、また楽しく書かれて
います。
 私の家庭は貧乏だったので、雑誌を買う余裕などないと思っていたの
ですが、同級生の多くがこの付録で楽しそうに遊んでいるのを見て、ど
うしても欲しくなり、親に必死で頼みました。その結果、購読してもら
えることになったのです。
 私はこの雑誌を通じて科学(理科)に強くひかれるようになりました。
その影響で、理科の成績が抜群によくなったのだと考えています。そし
て、やがては大学の物理学科に進むことになり、大学院の物理学専攻に
まで進むことになりました。

 大学時代のある日、優秀な同級生数人と話していると、ふとこの雑誌
のことが話題になり、全員が異口同音に「僕はこの雑誌のおかげで理科
が好きになったんだ。」と言ったのには驚きました。マスコミなどでは
話題にはなりませんが、この雑誌は日本の理科教育にかなり大きな影響
を与えていたのではないかと思われます。残念ながら、現在ではこの雑
誌を学校で販売することは禁止されているそうで、購読者も大幅に減っ
たと聞いています。確かに、特定の出版社の雑誌を学校で販売すること
は公正な取引という観点では問題があるのかもしれませんが、私にはと
ても残念なことに思われるのです。このことも、現在の若者の理科離れ
の一因になっているのではないかと疑っています。

 私は学研のまわし者ではありませんが、学研の「科学」に興味を持た
れた人のためにそのホームページを紹介しておきましょう。
http://kids.gakken.co.jp/kagaku/

 中学校でトップクラスになってから、母から言われたことなのですが、
私は小学校5年の時に行った知能テストでは、かなり悪い結果を出して
いたそうです。つまり、かなり頭が悪かったということです。小学校の
先生が、「知能テストなんてあてになりませんから、お子様が気にする
といけませんから、このことは黙っていて下さい。」と口止めをしてい
たそうです。

        *** 続く ***


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