広告

    

【楽しい中国語入門】 vol.007

http://www.flsi.co.jp/zhongwen/

  
    
音声を聞くには、中国語文字(赤色)をクリックして下さい。


7. 外来語(その1)

  中国人と筆談するにあたって問題になるものは、日本語と意味の異なる漢字だけではありません。英語などから来ている外来語をどう表現するかという点も問題になります。日本語では、外国語をそのままカタカナで表記するという方法がとれますが、中国語には漢字しかないのです。つまり、中国語では外来語も漢字にしてしまいますので、カタカナで書かれた外来語になじんでいる日本人にとっては中国語の漢字を見てもさっぱり分からないということになってしまいます。そこで、これからは中国語における最新の外来語の漢字表現も含めて、少しずつ学んでいくことにしましょう。

 ここ数年、インターネットはすさまじいスピードで普及してきました。普通の電話回線からISDNやDSL、さらには光ファイバーへと接続形態も変化してきて、通信速度もどんどんと向上しています。中国もこのITの流れに乗り、インターネットを普及させるために力を入れています。私の両親が住んでいる沈陽市も高速ネットワークの構築をインフラ設備の重要なステップとして認識し、建設を急務にしています。例えば、新しく建築したマンションには必要設備として光ファイバーのアダプターが壁についています。もちろん、ファイバー類はすでに地下に敷かれています。まだ正式には開通していませんが、近いうちに利用できることをみんなで期待しています。
 ところで、インターネットといえば一番気になることは安全性の問題です。DSLなどを使って常時接続する人が急に増えて来ましたが、接続する時間が長くなれば長くなるほどハッカーに狙われる機会も多くなるので、気をつけないといけません。うわさによりますと、中国には数多くのハッカーがいるようです。会ったことがある訳ではありませんが、みんな優秀な技術者のようです。(「ハッカー」という言葉は、現在ではコンピューターあるいはインターネットを通して悪いことをする人の意味で使用される場合が多いですが、元々は高度な技術者を尊称する言葉でした。)
  そこで問題です。中国語で「ハッカー」を何と言うでしょうか?

  答えは
です。なぜ「黒いお客さん」なのでしょうか?

には文字通り「黒」の意味もありますが、「闇」の意味もあります。ここでは「闇」を意味していると考えてください。つまり

には「闇の人」という意味があることが理解できると思います。どうやらハッカーたちは暗闇の中で仕事をしているようです・・・というのは冗談です。
  日本でも「闇」には「悪い」ニュアンスがあるでしょう。つまり
というのは「ハッカー」の発音を真似し、かつ、「闇の人」(邪悪な人)という意味を込めた面白いネーミングです。このように中国には、発音と意味をうまく漢字に含ませた面白い外来語がたくさんあります。
  では、「ハッカーにやられました!」という文は、中国語ではどのように表現すればよいと思いますか?
  これは、
という表現になります。ここで注意してほしいところは二番目の
です。ここでは
という漢字は動詞になって、「悪いことをする」あるいは特別に「ハッカーに遭う」という意味を表します。特に後の意味はハッカーという外来語が入ってきたあと、新しく生まれた意味であり、多少口語としてしか使われないという雰囲気もありますが、中国語の生き生きとした言葉の変化を感じ取るいい教材だと思います。

 ところで、キアヌ・リーブス主演の映画「マトリックス」を見た人は多いと思いますが、この映画の中国名をご存知ですか?数学を学んでいる大学生の方、「行列式」じゃないですよ。 実は
となっていました。つまり、「ハッカー帝国」です。かっこいい名前です。なぜ「ハッカー」かといいますと、(映画のシーンをまだ覚えているでしょうか)未来のコンピューターの世界におけるハッカー達のお話でしたね。ついでながら、この映画の製作時には、カンフーの達人である有名な中国人が武術指導をしています。またそのうちに機会があったらお話しましょう。
  もし、興味があれば中国語版の「マトリックス」を含め、中国語の映画もぜひ一度鑑賞してください。きっといい中国語の勉強になると思います。最近でしたら、中国語の映画のDVDビデオもたくさんビデオ店に並んでいますね。DVDでしたら、日本語字幕の表示・非表示の切り替えや音声言語の切り替えも簡単にできてしまいますから、語学学習にはとても便利だと思います。

  それでは、今日はここまでとします。
Copyright (C) 2002 Future Lifestyle Inc.